企業の情報システムは、大きく分けて「業務システム」と「一般的なコミュニケーションツール」の2種類があります。これらはそれぞれ異なる目的と役割を持っています。
業務システム:特定業務に特化した効率化ツール
業務システムとは、特定の業務プロセスを効率化することを目的とした情報システムのことです。具体例としては以下のようなものが挙げられます。
- 営業支援システム
- 顧客管理システム(CRM)
- 倉庫管理システム
- 人事・給与システム
- 電子決裁システム
業務システムの特徴は、対象業務に特化してデータを蓄積・処理できる点にあります。業務フローに合わせてデータ構造が構築されており、必要なデータのみを集約して管理できます。また、定型データの計算や高速な大量処理なども可能です。
つまり、業務システムは特定業務の効率化を目指したシステムであり、汎用性よりもその狭い分野での機能の充実が重視されています。
一般コミュニケーションツール:幅広い対象へコミュニケーションを提供
一方、一般的なコミュニケーションツールとは、メール、チャットツール、ウェブ会議システムなどのように、ユーザー間のコミュニケーションを幅広くサポートすることを目的としたツールです。
一般コミュニケーションツールの利点は、シンプルでわかりやすいインターフェースと柔軟性にあります。対象とする業務を限定せず、様々な場面で活用できます。
しかし、その分データを体系的に蓄積・管理するのには向いていません。特定のデータを集約して扱うことは得意ではありません。
このように、業務システムは特定業務の効率化、一般コミュニケーションツールは幅広いコミュニケーションの提供という、それぞれ異なる用途に特化しています。
Jiveが実現する”プロトタイプ業務システム”
こうした中で、Jiveは一般コミュニケーションツールの性格を持ちつつ、データを業務やプロジェクトごとに集約できるユニークな製品です。つまり、Jive上に簡易な業務システムを構築できるわけです。
Jiveは従来の一般コミュニケーションツールと同様に、チャット、ブログ、ディスカッション機能などを備えています。しかし、それらのコミュニケーションデータをグループ単位で集約できる点が大きな特徴です。
また、投稿データにカテゴリやステータスを付与できるので、ある程度の自由度を持ってデータを管理できます。
一方で、Jiveには本格的な業務システムのようなリレーショナルデータベースはありません。定型データの管理や複雑な計算処理は得意ではありません。自由記述でデータを管理するのが強みです。
Jiveを活用したプロトタイプのシステム開発
このようなJiveの特性は、プロトタイプの業務システム開発に活かせます。
業務システムを導入が失敗に終わるのは、業務システムのプロセスが既存の業務に適応していないことが原因であることが多いです。また、新しい業務プロセスの確立においては、最初から本格的なシステムを導入するのは難しいものです。トライアンドエラーを重ねながらプロセスを構築していく必要があります。
こうした状況において、Jiveのユニークな機能を活用すれば、プロトタイプのシステムを手軽に構築できます。Jiveの柔軟性を生かしてプロセスを検討し、洗練させていけばよいのです。
そして、プロセスが一定程度固まり、より高い品質や大量処理が求められるようになった時点で、本格的な業務システムを検討すればいいわけです。その際にはJive上にプロセスの実績があり、スムーズに移行できるはずです。
つまり、Jiveは一般コミュニケーションツールの機能を持ちながらも、簡易業務システムの機能も合わせ持つユニークな製品と言えます。プロトタイプの段階から本格運用に至るまでを、Jiveひとつでシームレスにカバーできるのが大きな利点となります。
プロセス改革や業務改善をスピーディーに行いたい企業には、このようにJiveを活用するアプローチが有効でしょう。固定観念に捉われずJiveの可能性を検討し、上手く活用していくことが重要です。