最近RPAやAIというキーワードがニュースを賑わしていますが、なんでもコンピューターがやってくれると思ったら大間違いです。何十年後の未来だったらあり得るのかもしれませんが、近々でそのような夢のようなことは発生しません。
わかりやすいのはRPA (Robot Process Automation)ですね。文字通り、ロボットがプロセスを自動化してくれます。ただしそのプロセスを定義するのは人間です。ロボットやコンピューターはやってくれません。
プロセスが定義されていたとしても、それが複雑でムダの多いプロセスであれば、複雑でムダの多いプロセスが自動化されるようになります。RPAの導入もその分大変になり、結局うまくいかないです。
まずプロセスをシンプルにしておくことが重要です。不要なプロセスやデータの排除、重複したプロセスやデータの共通化等を進めていく必要があります。すごく地味な作業ですが、これを継続的にやっておくとプロセス全体が可視化され、ボトルネックがどこにあり、自動化すべき作業が見えてくるはずです。そうするとシステム化なりRPAの導入がスムーズに進み、期待通りの成果が得られるようになります。
AIの場合は、RPAよりも現状で業務に利用できる箇所は相当限られています。現状AIができる代表的な機能は、認識や計算の精度をあげる、特定のルールの下で最適解を求めるといったもので、ビジネスでは特定のタスクでしか活用できませんし、業務に如何に適用していくかが専門家の腕の見せ所です。あくまでも業務の一部の機能を代替もしくは人間のサポートをするレベルにしか至っていません。
そして、AIを活用できるという状態にもっていくためには、やはりプロセスの整備が必要となります。特定タスクの精度をあげたい、膨大な処理を自動化したいという場合に初めてAIやRPAを検討できるようになります。アプリケーション開発も同様で、業務プロセスが整備されていないと、何をどのように改善するのか、自動化するのかが把握できず、導入の失敗につながります。
新しいテクノロジーに飛びつく前に、ビジネスとして何をやりたいのか、どのように実行するかを明確にしておくことが重要です。業務プロセスを作成することは、どのように実行するかを明確にすることに他なりません。プロセスを明確化しているからこそ、テクノロジーを導入することで、プロセスがどのように変化するかを考えることができるのです。