SFA/CRMのメジャーなソリューションであるSalesforceとJiveを比較することで、Jiveの特長を考えてみたいと思います。
ツールの位置づけ、機能
Saleseforceは、営業管理や顧客管理のために必要な機能があらかじめ実装された営業管理システムを構築するためのパッケージソフトウェアです。各企業の業務やプロセス、組織構造に合わせてカスタマイズして実装します。データベースの機能を活用して、営業活動の分析やレポート、営業サポートの機能などが充実しています。
Jiveは、メールやチャットのようなメッセージ機能、ドキュメントや動画、画像などを保管するストレージ機能、これらをグループ単位でまとめて参照できるポータルサイト機能が一元化されたコミュニケーションツールです。
データ構造、プロセス
Salesforceは営業活動に特化した機能を実現するため、あらかじめ決まったデータ構造やプロセスが実装されています。すなわち特定の項目には決まったデータ、入力するタイミングがある程度決められています。入力項目やタイミングが決まっているので、情報やプロセスが整理、標準化されていくことになります。
Jiveはあくまでコミュニケーションツールであり、コンテンツに記載する内容は自由記述となります。営業部門や製品、サービスの単位でグループを作成して、コミュニケーションを実施できます。これらのコミュニケーションはタグやカテゴリで分類することで、情報整理をすることができますが、業務プロセスを制御するフローは存在しません。
導入のアプローチ
Salesforce等のパッケージソフトウェアの導入は一般的には以下となります。 1-4は開発フェーズのため、コンサルタントやエンジニアの協力が必要となります。実装がうまくいけば、5から業務として成果が出始めます。
- 現状業務の整理
- Fit&Gap分析(現状の業務がSalesforceの機能で実現できるか、できないかを調査します。あってない箇所は変更するか、開発をして現状業務に合わせるかを判断します。)
- 実装、アドオン開発
- テスト
- 利用開始
Jiveを業務で活用する場合のアプローチは以下のようになります。あくまでコミュニケーションツールのため、まず使ってみるところから始まります。簡単なレクチャーは必要ですが、利用者自らが設定をできるので、専門家の協力はほとんど不要です。チームでJiveを使いだすとコミュニケーションや情報が一元化され、情報検索が簡単になる、業務が見える化する等のメリットが出始めます。
- まず使う。
- 現状のメール等で行っているコミュニケーションをJiveで実施する。
- 営業資料、顧客一覧等のドキュメントをアップロードする。
- みんながJiveを使うようになった時点で、情報の見える化が実現する。
- 整理する。
- 営業資料を業界や顧客、目的ごとにカテゴリ分け、タグ付け。
- 営業のステータス毎にカテゴリ分け、タグ付け、サブグループに分類。
- お知らせ、質問、ステータス管理、コミュニケーションの種類ごとにコンテンツを分類する。
- コンテンツ毎に投稿先を分類。
- など
まとめ
Salesforceは営業活動向けにカスタマイズされたツールであり、パッケージに合わせる必要がある。ルール通りに進める必要があるプロセスにはSalesforceが向いていると思います。逆に、合わなかかったら使いずらいと言えます。
Jiveは非構造化(様々コンテンツ)のデータを扱うので柔軟なコミュニケーションが可能。新規事業や少人数のコミュニティなど、柔軟なコミュニケーションはJiveが向いているといえます。
Salesforce等の営業管理ツールを導入する前は、Excelで顧客管理、共有フォルダで営業資料の管理、あとはメールでコミュニケーションというのが主流だったと思います。Jiveは、このコミュニケーションとSalesforceの中間に位置づけできるのではないかと思います。メールや共有フォルダで情報がバラバラだったものをJiveでコミュニケーションすることで営業活動情報の一元化やプロセスの整理を実施できます。さらに便利な機能や分析を進めるためにはSalesoforceのような専門ツールを導入するのが良いと思いました。